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[COP10先住民族ニュース]COP10第二週目突入(10月25日)

週末をまたぎ、いよいよCOP10第二週目に突入しました。今週には閣僚級会合が始まり、ABS議定書が採択されるかどうかに注目が集まります。ソファの上で居眠りしている人の数も週明けだからか少なく、COP10関係者は相変わらずそれぞれの仕事に勤しんでいます。
本日は、午前中に「CBD-COP10開催国日本の開発行為に対するNGO共同宣言」の方々によるアピールがありました。そこでは様々な団体が日本政府や関係国政府に対して抗議をしていました。例えば、沖縄の海に生息するジュゴンが米軍基地建設計画により絶滅の危機に瀕していることに対する抗議や、干拓事業に伴う湿地減少により漁業資源・自然資源の減少に対する抗議、原発建設計画と生態系破壊に対する抗議などなどです。そうした反対運動が国際会議場隣の交流フェア会場で行われました。反対運動をされていた方々はジュゴンのコスプレをしたりと、会場には思ったより和気あいあいとした雰囲気が流れていました。

興味深かったのは、会場に集まっていた人々は一口に生物多様性といっても、それぞれに違う目的で反対運動をしていたことでした。例えば、純粋にジュゴンすなわち動物の保護や周辺の生態系の保全を求める人、生物多様性を人間生活の向上という文脈で主張する人など、目的は様々でした。

この反対運動を聴いていながら僕は次のことを考えていました。もしジュゴンの生息域が米軍基地の建設によって侵されるとしても、それによって利益を享受する人々がより多くいれば、これは果たして正当化されうるだろうか、と。言いかえれば、最大多数の最大幸福が実現されるならば、多少の犠牲は仕方ないと割り切ってよいのか、という問題です。これはまさに先住民族問題にも当てはまるのではないでしょうか。なぜなら、コスタリカでは「国益」の名の下に多くの先住民族居住地域が水力発電用の巨大ダム建設計画によって脅かされているからです(この話は本日のサイド・イベントで聞くことができました)。こうした事例は先住民族問題に関わらず広く一般的・潜在的に存在する問題を示唆しています。

さらに重要な点は、先のコスタリカの例を参考にすると、誰が国益を判断し、誰が国益を実現し、誰がその国益を享受するのでしょうか。ここに多数者の暴力性がみてとれるような気がするのです。だからこそ、先住民族は国際社会への意思形成過程への実効的な参加を求めているのだと思います。
この意味で、自らの権利を主張し、そして実現していくためには、本日の「CBD-COP10開催国日本の開発行為に対するNGO共同宣言」といった反対運動やアピールも重要ではありますが、意思形成過程や政策形成過程に喰い込んでいくこともまた重要であると思いました。この、いわば空中戦と地上戦とでもいえる二つを先住民族がCOP10で同時進行させているのを間近で見ているととても感心します。

18:15から行われた先住民族のサイド・イベントは、先住民族の経験を皆で共有し、その経験から学ぶという目的の下に開催されました。ガロさん(Alancay Morales Garro)は
コスタリカの先住民族で、自身の経験を語ってくださいました。コスタリカではThe Diquis Damという中米最大規模の水力発電ダム建設計画がコスタリカ政府により発表されました。しかしながら、それは「国益」の名の下に先住民族に犠牲を強いるものでした。問題は何かというと、その計画が先住民族との交渉なしに、さらには事前通告なしに公布されたことです。コスタリカは国土の小さい国であり、かつこのダムが建設される敷地は多くの先住民族の居住地域でもあるのです。したがってこれは国連先住民族宣言に反し、先住民族の権利を著しく損なうものです。


COP10先住民族ニュース取材班
(文責:中島嘉紀)
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