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国連気候変動枠組み条約COP14と先住民族:プレス・リリース

昨年12月に開催されていた、国連気候変動枠組み条約の第14回締約国会議(COP14)の際に国連先住民族問題常設フォーラムのビクトリア・タウリ・コープスさんの出したプレス・リリースを翻訳しました。

COP14では途上国の森林を保護することで温室効果ガス削減を試みるREDD(途上国における森林の減少・劣化による排出削減)が議題の一つであり、議論を呼びました。先住民族は、いわゆる国立公園や国有林と指定されたところに居住している人々が多く、従来も環境保護の名目で、先住民族が森林保護区などから立ち退きを迫られる事例が多いためです。
国際的な権利活動をする先住民族グループは、REDDの実施にあたって先住民族の権利を承認し、国連先住民族権利宣言を枠組みとして参照することをSBSTAという機関の案に挿入するよう要請し、草案の段階でははいっていました。しかし、この提案がオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アメリカの4カ国によって反対され、削除されました。詳しくは訳をご覧ください。
プレス・リリース

2008年人権デー:先住民族にとって悲しみの日
ビクトリア・タウリ・コープス(国連先住民族問題常設フォーラム議長)
2008年12月10日

国際人権宣言が採択されてから60周年の今日、いくつかの国連加盟国が、国連気候変動枠組み条約の第14回締約国会議において、先住民族の権利を否定したことは非常に悲しい出来事です。
今朝、先住民族は議題5の「途上国における森林の減少・劣化による排出削減(Reducing emissions from deforestation in developing countries、以下REDD):行動を活性化するためのアプローチ」における「科学的・技術的助言に関する補助機関(SBSTA)」の結論案の最終版を見て、ショックを受けました。この文書(国連文書FCCC/SBSTA/2008/L.23)は、先住民族の権利と、国連先住民族権利宣言(以下、権利宣言)に関するすべての部分が削除されていました。この削除は、2007年9月13日に国連総会で権利宣言を採択した際、反対票を投じた同じ国々(オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アメリカ)によって主導されたものです。
さらに、これらの国家は国際的に容認されている「先住民族(indigenous peoples)」という用語に複数形の“s”をつけず、「先住民(indigenous people)」としています。144の国連加盟国によって採択された先住民族の権利に関する国際人権文書である国連先住民族の権利宣言では、「先住民族(indigenous peoples)」を使っています。この用語に関する争いは、先住民族が国連内において30年以上にわたって戦ってきたものです。Peopleに “s”をつけることは、先住民族が自己決定の権利(権利宣言第3条)と集団的権利を有することを意味するものです。権利宣言は、先住民族が歴史的に、そして現在も苦しむ不正義を考慮し、既存の2つの人権規約がどのように先住民族に適用されるのかを解釈したものです。
60年前、国連人権宣言を起草し、採択するにあたって主導した国々がまさに、先住民族の権利を損ねる様子を見るのは、非常に悲しむべきことです。これらの国々は、REDDを2009年コペンハーゲンで開催される第15回締約国会議での緩和策に関する合意に含めることに熱心です。しかし、これらの国々は、世界に残された熱帯林や亜熱帯林を守るため、生命や身体を犠牲にしてきた先住民族や、森林に居住するそのほかの人々の権利を認めることを頑なに拒否しています。
私は、これらの国々に対して、現在の見解を再考し、REDDを計画して実施する際の枠組みとして、権利宣言に記載されている先住民族の権利を認めるよう要請します。私は、加盟国と国連システムが権利宣言の第42条を効果的に実施することを切望します。宣言は地方、国家、そして地球的なレベルを含むすべての領域で実施されるべきであり、国連気候変動枠組み条約とその議定書も含まれます。
私は、権利に関する文章と、国連先住民族権利宣言を最終案に残すよう主張した加盟国に賞賛の念を示したいと思います。これらの国々は非常に努力したことを認識していますし、また将来の交渉でもこの姿勢を保ってくれることを強く希望します。先住民族は、加盟国や国連、国連気候変動枠組み条約、そして世界銀行も含めて先住民族の権利が承認されない限り、REDDのメカニズムに対して反対し続けます。先住民族は、気候変動の被害に対して非常に被害を受けやすく、しかし同時に気候変動に対する解決をもたらします。先住民族の森林や生物多様性に関する伝統的な知識は、REDDが直面する方法論的な問題にとって非常に重要なものです。REDDの施策と立案にあたり、企画、実施、監視そして評価の段階で先住民族が参加できることを確保しなければなりません。REDDメカニズムが先住民族の領域で実施される際には、自由で事前の、情報を得た上での合意が得られなければなりません。REDDを受け入れるか否かを決定するのは、先住民族の権利なのです。
わたしは、第30回会期SBSTAの前にREDDに関する専門家会合を要請する決議案の第6パラグラフを歓迎します。この専門家会合では、先住民族に関連する方法論的問題に関して深く議論するために利用されるべきです。しかし、この専門家会合はまた、「長期的協力行動に関する作業部会(AWG-LCA)」で議論される政策の問題とも関連させるべきです。REDDに関する拡大された政策と対策は、SBSTAで提案される方法論とも関連付けられるべきです。先住民族がこの専門家グループの会合に参加することは決議案で承認され、これが実現することが私の希望です。
また、閣僚級会合で発言する閣僚に対し、REDDの意思決定とメカニズムで国連先住民族権利宣言を承認し、実行することの重要性を再確認するよう、要請します。先住民族がより実体的に緩和策に関して貢献できるよう、財政的および技術的支援を公約することを閣僚に対して呼びかけます。
私は先住民族に対し、国家及び地球レベルの気候変動の交渉、政策、プログラムへの影響及び監視に注意を怠らず、活発であり続けるよう促します。私たちは、特に世界の直面する複合的な危機に対して、私たちの生存と尊厳を確保する道具として国連の先住民族権利宣言を活用しなければなりません。気候変動の聞き、景気の下降、生物多様性及び文化的多様性の破壊は、私たちの今後の生存に対する深刻な脅威です。しかし、自らの間で強く団結し、同時に他の市民社会組織、またこれらの問題と真摯に取り組むためにできることは何でもする意思のある国家と団結することができれば、地球と将来世代に希望を残すことができるでしょう。
温室効果ガスの削減、自然に敬意を払う価値とシステムの強化、国連宣言に規定された私たちの権利の主張、そして社会の最も脆弱な人々との連帯に貢献し続ける以外、私たちに残された道はありません。私たちは、低炭素で持続可能な伝統的生活様式を実践し続けるべきなのです。同時に、私たちは気候変動に適応できるよう、資源を利用可能にすることを要求するべきです。
付属書Ⅰ国 の国々に対して、気候変動の緩和策に関してより大きな責任を負うことが不可避であることを繰り返します。これらの国々が主に気候変動を引き起こしたのであり、そのため彼らが先頭に立つことが公正なことなのです。温室効果ガス削減のため、法的拘束力のある目標値を達成することが緩和策のための主な道のりです。もし適切に企画され、実行されれば、REDDも気候変動の緩和に貢献できます。しかしながら、私は森林を付属書Ⅰ国のカーボン・オフセット(炭素相殺)に使うべきではないと思っています。よって、森林保全による炭素の排出権取引は適切なアプローチではないのではないでしょうか。森林保全に対して先住民族や、その他の森林に居住する人々に金銭もしくはその他の形での報酬を与えることがよりよい道のりではないでしょうか。
最も裕福で、最も力をもつ者がこの世界を守るための責任を放棄し、また気候変動の緩和に最も貢献している者たちの権利尊重を放棄したといわれないようにしましょう。
ありがとうございます。
(木村真希子訳)
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